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裏猫道

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ナルトとカカシが別れたことは瞬く間に里中に知れ渡った。そして、ナルトは自分がどれほど、カカシに守られていたかってことを、改めて思い知らされる。里を歩いていても、カカシがの庇護があるのとないのとでは、天と地の差があったのだ。冷たい視線に始まり、陰口に、暴行まで日常的に始まった。まるで、まだ己を守る術が何もなかった12歳の頃に戻ったようだ。路地裏に引っ張り込まれたかと思えば鉄パイプを持った集団がナルトを襲うのだ。
既に中忍程度の能力を持っているナルトがそう簡単に里人の暴力を受けることはなかったが、これほどまでにまだ自分を憎んでいる人間がいたことにショックを受けた。
―――オレってば、この里にひとりぼっち。
受付所に向かう道すがらすらも何名かの忍等に、わざとぶつかられ危うく転びそうになって、歯を食い縛る。悔しかった。今までの自分の地位が、はたけカカシという後ろ盾があって初めて成立していたかもしれないと思うと、努力の末に築いたと思っていた今の自分自身すらも揺らぎそうになる。
「はは…。オレってば全然大したことねぇじゃん。ダッセぇの…」
〝カカシ先生のオンナだったから、みんなが優しくしてくれてたんじゃん〟
それなのに、勘違いして己が認められたなどと馬鹿みたいだ。結局、カカシと別れて沢山の物を失ったのはナルトだけ。それまでとて、少年が手に入れたものは数えるほどもなかったというのに、お笑い草のようだ。
「――ナルト。元気ないじゃない。大丈夫?」
「サクラちゃん……」
「顔色、悪いわよ。ちゃんと食べてるの。真っ青じゃない。アンタ、また好き嫌いしてるんでしょ?」
地面に俯いて泣きそうになった時、桃色の髪の毛を持つ少女が立っているのに気付いて、慌てて目尻に浮かんだものを拭う。
少女は、ナルトのそのような仕草が気に食わなかったのか、むっとした表情になった。
「アンタ…。カカシ先生と別れたんですってね」
「あぁ、サクラちゃんにも知られちゃったんだ。ちぇ…」
「そりゃ、あれだけアンタに素っ気ない態度を取るカカシ先生を見たら、誰だって気付くわよ」
「そうだよな…」
あの日以降、それまで周囲も憚らずにベタベタとナルトにくっついていたのが嘘のように、カカシはナルトに対して冷たい態度を取り始めた。余りの急変ぶりに、同じチームメイトであるサクラが顔を顰めるほどに。
「私は、アンタとカカシ先生の付き合いには初めから反対だったわ。だから、今回のアンタの判断は正しいと思う」
「おう…」
「あのまま付き合っていてもアンタが余計に傷付くだけだもの」
「………」
「――ごめん。落ち込んでるあんたにこんなこと言いたかったわけじゃないのに」
「ううん。心配してくれて、ありがとうってば。サクラちゃん」
里の住民の態度が変わっても、サクラだけはナルトの傍にいてくれた。今はチームメイトの優しさが嬉しかった。
「へへ。馬鹿見てぇだけどさ、オレってばまだカカシ先生のこと好きみてぇなんだ…。本っ当、オレってば男のくせに女々しいよな」
「ナルト…」
「あれ、おっかしいな。涙が止まらねえや」
「アンタは泣いてもいいのよ…」
ナルトの瞳から大粒の涙が流れる。サクラは自分よりも少しだけ背の高い少年の頭を包み込んだ。



はたけカカシは、いつも通り任務報告を終えて、帰路に付こうとしていた。そこで、このまま帰宅しても家に夕飯が用意されていないことに気が付いて、ため息を吐く。任務でクタクタだというのに、商店街によって食材を買い足しに行かなければいけないだろう。
(面倒臭いねぇ。今思えば、アイツはこんなことを毎日やっていたんだよな…)
戯れに抱いていた少年を思う。自ら身体を差し出し、己の下でしどけなく泣いていた、ナルトの体を思い出した。
――本当。体は極上品だったよねぇ。
己のペニスを打ち込むと、押し出されるように啼く甲高い声に、折れそうな手足。少年だと言うのに、男の快楽を誘う仕草に長けた子だった。要求すれば、どんな体位にも応じるが、四つん這いにして、犯されるのが一番嫌いで、カカシがわざとその体位を選ぶと苦しそうに表情を歪める様も堪らなかった。
ナルトにとってセックスは苦痛でしかなかったのだろう。それも、顔が見れない体位だと、尚更ナルトは嫌がった。一度、セックスの最中にカカシが黒髪の少年の名前をうっかり呼んでしまって以来、カカシが別の少年を思い出して抱いていると思っていたのだろう。
本当に、単純で、稚い少年だ。
ナルトの傷付いた顔を見る度に、ゾクゾクとした背徳感が湧かなかったと言えば嘘になる。ナルトには、人の嗜虐心を煽る所がある。
「本当、ナルトはよくオレに耐えていたよねぇ…」
確かにナルトといるとサスケのことを思い出すことが多かった。だが、日常的にナルトがそうした違和感を感じているとは予想外だった。
同じ年頃、同じような背丈、同じ性。と、そこまで考えて少年とナルトとの間の共通点が案外少なかったことに気付く。なんだ、代わりにすらなっていなかったんだな、という至極冷たくあっさりとした結論に辿り着く。とは言え、ナルトに悪いことをしたな、と思った。だから、解放してあげたのだ。
カカシには執着心はない。例えば、去っていく恋人、去っていく友人、追いかけたところでもう二度と手に入らないことをカカシはよく知っていた。彼の師もまた帰らぬ人となってしまったのだから。
それと同じことだ。自分から離れて行こうとする人間に興味はない。しかし、黒髪の少年だけが心残りだった。うちは一族の生き残り。カカシはどうしてもかつてのチームメイトを重ねてしまう。
――オビト。
思い出とはいったいなんだろう。自分を縛り、思い出ばかりに囚われ動けなくなる。では、なんのための今なのか。そこまで考えて、カカシは自嘲気味に笑う。
「いいんだ。オレは、もう。前に進むことなんて有り得ないんだから」
加えて、オビトの血筋である唯一大切にしたかった黒鳥頭の少年は今や里を抜け、カカシの傍にいない。現実など、こんなものだと思う。なんと呆気なく、ままらなく、空虚であるのか。
手を伸ばそうとしたものは掴み損ね、擦り寄って来た温もりは去った。結局、カカシの周りには何も残らない。
猫背を更に丸めて道を歩いているとよく知るチャクラを感じ取った。
「何アレ……」
サクラがナルトを抱き締めていた。珍しい光景である。
「ははは。結構お似合いじゃない」
道端で抱き合う桃色の少女と金髪の少年を見て、カカシの胸の中にドス黒い感情が沸き上がる。サクラの肩で涙を零すナルトが格別可愛らしく見えたのも癪だった。











結局、ナルトにとってオレはその程度の存在だったわけ?
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