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裏猫道

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「妊婦さん…?」
「そう。だから、1週間ゆっくり時間を掛けて、護衛しながらの鳥の国までしなきゃいけないんだよ。わかったかい、ナルト」
母体に障るからあんまり騒がないように、とクドクドとヤマトから騒ぐ前に注意されて、「なんでオレばっかり」とナルトはムクれる。
「バカねぇ、ナルト。そりゃ、1番騒がしくてそそっかしいのが、アンタだからに決まっているでしょう?」
「下手に刺激を与えたら、移動中に産まれちゃうってこともあるかもしれないからね。くれぐれも気を付けるように」
「うぇぇえええ、マジで…!?」
産まれんの、そこまで!?とナルトはざざざざと仰け反って、警護対象者である女性を見た。
「よろしくね」
「お、おう…!?」
お腹の大きな女性に会釈されて、ナルトは反射的にファイティングポーズを取ってしまう。彼女が、大名と店の賄賂受け渡しの現場を目撃したのは、数ヶ月前の事だ。その店は、大名に賄賂を渡す代わりに違法賭博や人身売買などの悪行に目を瞑って貰っていたらしい。
キャバレーのダンサーであった彼女は、大名と店の贈収賄罪を告発する代わりに、母国である鳥の国への帰国を希望した。元々、親元の借金返済のために火の国にやって来ていた彼女は、私生活にまで干渉する店の厳しい締め付けにうんざりしていたらしく、警務部隊との司法取引の結果、ボーイ長であったお腹の子の父親と共に木の葉を去り、自国へと帰る決心をしたらしい。
「それで、なんでオレたちに任務が来たんだってば?」
「もう。この間のミーティングで、カカシ先生が説明してたのにあんたは何を聞いてたのよ!」
サクラが腰に手を当てて怒る。
「逆恨みって奴よ!本当にどこまで汚いったらありゃしないわ。裁判で不利な証言をされた奴等が報復のために刺客を送り込んでくるかもしれないの。相手は大名から人身売買の組織まで絡んでいるから、私たち忍が護衛役に抜擢されたってわけよ」
「旦那は先に鳥の国で家と働き口を見つけに言ってるのよ。私はお腹の子が安定するまで動けなくて木の葉を出るのが遅くなっちゃったの」
サクラの説明を補足するように、元ダンサーの女性に微笑まれ、ナルトはぱちくりと上目遣いで口を開く。
「えーと、難しいことはよくわかんねぇけど、このお姉さんを鳥の国まで護衛するのがオレたちの任務だってば?」
「そうだよ、ナルト」
後ろから聞こえた低い声に、ナルトは身体を強張らせる。
「ま、任せとけってばよ、お姉さんはオレがぜってぇ守るってば!」
「だから、騒ぐなっつーのバカナルト!」
「ふふふ、元気な忍者さんたちなのね」
胸をどんと叩いた瞬間に、サクラに叩かれたナルトは、へへへと笑いながらも、カカシの視線を感じて、沈痛な面持ちで顔を背けた。




「ナルト。おまえにだけ話があるから、こっちに来なさい」
夜になり、野営の準備を粗方終えた所で、ナルトはカカシに呼ばれた。サクラといつもの調子で掛け合いをしていたナルトの表情に影が差す。
「カカシ先生。どこに行くんですか?」
森の中に消えていこうとした2人に気付いて、サクラが訝しそうに問い掛ける。
「あー、こいつの修行のことでちょっとね」
「あら。なら、ヤマト隊長も呼んだ方がいいんじゃないんですか?」
「オレ1人で十分だよ。大丈夫だから、先に寝ているように」
カカシは、ナルトの髪の毛をさらさらと撫でながら答えた。沈鬱なナルトの表情に、サクラは首を捻ったが、カカシの指示通りしぶしぶといった様子で薄っぺらな毛布を被った。
「さ、行こうか」
寝転がったサクラの様子を確かめて、カカシはナルトにそう促した。



月の綺麗な夜だった。
「こっちにおいで、ナルト?」
ヤマトやサクラたちの居る野営地から森の中を進んで行くと、開けた草原に出た。密集していた木々が、そこだけぽっかりと円を描いたように生えていない。草原の真ん中。祭壇のようにある岩に背を預け、どっかりと腰を下ろしたカカシがナルトを手招きする。
「な、に…。カカシ先生」
ナルトが怯えた瞳で、カカシを見つめる。
「そんなに警戒しないでよ。もっと苛めたくなっちゃうでしょ?」
額当てと口布を取ったカカシが鋭利な笑みを浮かべた。ナルトが躊躇ったような素振りを見せると、腕を引かれカカシの懐に抱き込まれる。
「やだ、なにすんだよカカシ先生っ」
「なにって、セックスに決まってるでしょ?」
「……っ!!」
カカシの信じられないような提案にナルトが息を呑む。
「だって今は任務中―――っ。オレたちが抜けてる間に奇襲があったらどうすんだってば!?」
「もう忘れちゃったの。この間、オレの相手してって言ったでしょ。今回の任務、なんのためにヤマトを入れてフォーマンセルにしたと思う?」
「そんなことのためにヤマト隊長を!?」
ナルトが愕然とした声を上げる。
「いいかい、ナルト。よく聞いて。この任務中おまえはオレのオンナになるんだよ」
「そ、そんな勝手が許されると思ってるのかよ」
ナルトが振り上げた拳はいとも簡単にカカシに取られた。
「上官の命令に逆らうつもり?」
「―――っ」
「任務遂行中の上官の性欲処理は下忍や中忍の立派な仕事なんだよ?」
鋭利なカカシの笑みに、ナルトはこれからここで始められることを悟って顔を歪めた。
「オレの知ってるカカシ先生はオレにこんなことしねぇ…」
そりゃあ、とカカシは口元を吊り上げる。
「12歳の時はさすがにガキ相手に色気もへったくれもなくて手ぇ出す気にはならなかったけどね?」
「――――サイテェだってば・…」
カカシの言葉にナルトはショックを受けたように唇を噛む。
「ねえ、今まで考えたこともなかったでしょ。自分が抱かれる立場にあるっていこと。オレに性欲があること」
〝今夜たっぷり教えてあげる〟耳元で囁かれ、容赦なく自分の身の内で蠢いたカカシの感触、排泄器官に性器を押し込まれ、身も世もなく啼いた記憶がまざまざと蘇った。
「やだっ、やだっ、やだぁ!」
自分の置かれている状況を悟り、パニックになったナルトが無我夢中でカカシの手を噛む。「――――あっ」
カカシの手の甲から流れる血に怯えたのはむしろナルトの方だった。
「痛いなぁ…」
月を背にして立ちあがったカカシが、はははと笑う。ナルトは尻餅をついて知らず後ずさった。
「搾取されるのがイヤ?」
カカシはナルトの顎をついと持ち上げる。
「悔しかったらオレより強くなってごらん?」
ナルトはボロボロと涙を零し、何度も首を振る。
「やめろってば。か、しせんせぇ。オレ、カカシ先生とこんなことしたくない…」
「なんで?オレもおまえも同じ男だから?倫理に反してるから?それがなあに。気持ちいいことには変わりないデショ」
やだ…、と尚も自分の胸を押し返す手に、カカシはため息を吐いた。
「そう。おまえがどうしてもヤダって言うならサクラに代わってもらってもいいんだよ?」
「!?」
「オレも好き好んで男を抱くタイプでもないしね?」
カカシの言葉にナルトの頬がカッと赤くなる。
「どうする…? 決めるのはおまえだよ?」
ナルトに選択の自由を与えてるようであって、一層締めつけるだけの提案。ナルトがサクラを自分の代わりに差し出すはずがないのに。
今も昔も、彼女はナルトにとって初恋の女の子であり大切なチームメイトだ。その事実は15歳になった今も変らない事で、傍目から見ても、ナルトがサクラを大切に思っている事は明らかだった。
「オレはどっちでもいいよ。サクラとチェンジする?――下忍の頃とちがってあいつもきちんと女だもんな」
「や、めろってばっ」
上体を起こそうとしたカカシにナルトがしがみつく。
「ダメ。サクラちゃんだけは、絶対ダメだってば。カカシ先生、お願いだからやめて!」
上忍服のベストを鷲掴んで、必死にカカシを見上げるナルトの瞳は涙で潤んでいた。
「お願いだってば…」
「へぇ、おまえでもそんな頼み方が出来るんだ?」
カカシの嘲笑に、ナルトは唇を噛む。
「―――…おまえはプライドを捨てオレに縋り付いてまでもサクラを汚したくないんだね」
どこか寂しそうにカカシが微笑む。ナルトは仲間を人一倍大切にする少年だ。サクラの事を持ち出せば簡単に自分の元へと堕ちてくるとカカシはわかっていた。
長年、教師であり上司であったカカシだからこそ出来るナルトの心優しさを利用した卑劣な遣り口。愚かな子。仲間を庇うナルトの行いは人としては立派な行為かもしれないが、忍としては失格だ。忍の世界はそんなに甘くない。自分以外の上官の下についた時も同じ選択をするつもりなのか。カカシの心臓に冷たい炎が灯る。
「仲間を大切にしない奴なんてクズだって教えてくれたのは、カカシ先生だってば」
吐き捨てるように言い放たれたナルトの言葉は、諸刃の剣となってカカシの胸に刺さる。だが、一度、狂い出した歯車を止めることは出来ない。
月明かりの下でやけに白く見える頬に伝う涙を拭いながらカカシが答えた。
「おまえに拒否権はない。あきらめろ」
ナルトの額当てを取って、首筋に口付けながら上着のファスナーに手を掛けると、カタカタと震える両手が添えられる。カカシはナルトの手を握り返すと自分の下腹部に下ろし、優美に笑った。
「すんごい、窮屈。ねえ、ナルトが出して?」
「!?」
「自慰。自分でシたことないの?」
「―――バカにすんなっ…」
「なら、触って大きくして。やり方はわかるでしょ?」
実を言えば、15歳になった今もナルトはそれほど性に興味がなく、どうしても差し障る場合がない限りは吐精もせずに済ましてしまうことが多かった。
「命令、聞けるでしょ。ねえ最後までしなくてもいいよ。濡らすだけでいいから」
「……」
ナルトに、拒否権はなかった。ここで自分が嫌がれば、サクラが変わりにこの役目に回るかもしれないのだ。
「……っ」
両手で輪を作ってカカシのモノを握ると、硬くなった幹から先走りが手を伝う。怖い。こんなことしたくない。自分の手の中でどんどん育っていく塊にナルトは恐怖した。
「ねえ、口でしてみる?」
ギッとナルトが睨み付けると、「冗談だよ」とカカシが笑う。
「カカシ先生を気持ち良くさせればいいんだろ!?」
「おまえ、なげやりだねぇ」
「うっせぇ」
クククと笑って、カカシはナルトの腰を引き寄せた。
「どこさわってんだよカカシ先生」
「おまえのイイトコロかな?」
「あっ」
以前、カカシを受け入れた箇所に指が伸ばされる。衣服の内側に侵入して、第一関節がぐにっと体内に押し入ってくる感触にナルトが堪らず悲鳴を上げた。
「イタイ、イタイってば!」
「しーっ、ナルト。解さなきゃつらいのはおまえなんだよ」
「やめ…、んなことさわられるくらいなら自分で入れる!」
「へえ、自分で動いてくれるんだ?」
それじゃあさ、とカカシの唇が三日月のように吊り上げられる。
「下の服だけ脱いでオレの膝の上に乗って?」
「………」
「できるでしょ、ナールト?」
気が付けば、カカシが冷酷な表情でナルトを見降ろしていた。




「はぁああんっ」
月明かりの下、ナルトの嬌声が響く。少年は、後孔でカカシの性器を精一杯受け入れていた。
「あん、あんんん」
ナルトは頭をガクガク振って、カカシの上で乱れる。尻孔からは、カカシの凶悪な性器が出し入れされていた。
「ほら、ナルト。どんどん動いて?」
「んんんんぅ…」
下から突き上げる振動に、促されてナルトがカカシの腹の上で激しくバウンドする。
「きゃううう…っ」
「おまえ、子犬みたいに鳴くね?」
ナルトは壊れたマリオネットのように動いていたが、カカシの快感を得るには今一つだった。
「はぁ…。しっかり掴まってな?」
「!?」
カカシは、少年の細腰を掴む手を強めた。
次の瞬間カカシが立ち上がり、がくんとナルトの身体に振動が襲う。
「ひゃあああっ」
そのまま腰を固定され、カカシに持ち上げられる。ナルトは堪らず嬌声を上げ、振り落とされまい必死にカカシにしがみついた。
「あっ、あっ、あっ、あ……!」
カカシが歩くたびに咥え込んだものがズレる。自分の体重の分だけ、カカシをより深く受け入れればならず、カカシの腰に足を絡めて少しでも衝撃をやり過ごさなければならなかった。
「カカシセンセ、センセ…!」
まるで、もっとと催促するようにナルトがカカシの名前を連呼する。そんなはずがないのに。
「あんんんっ」
どさ!と草原に押し倒され、抜けかけたものが深く挿入されて、容赦ない責めが開始された。結合部から粘着質な音が聞こえる。
「これからが本番だよ」
カカシはナルトの足を自分の肩に掛けてナルトを見下ろした。
「カカシ先生…」
「ナルト。覚悟しなさい」
「ひ…っ」
ナルトのか細い悲鳴。ナルトの上で律動するカカシの頭上で輝く蒼白い天体。ああ、ゆらゆら揺れる冷たい月。



















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