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裏猫道

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R18
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冷たい月した少年

15歳になって、里に帰って来て皆が自分を見る視線が変わった事に気が付いた。以前のものとはまた違う何か。まるで、纏わりつくようなそれに、違和感を感じたが、ナルトはその正体を見出せないでいた。
「カ、カカシセンセ……!?」
「ごめんな、ナルト」
もう我慢できないんだ。熱っぽい吐息で囁かれ、ナルトは痺れたように動けなかった。近付いてくるカカシの手の平に、世界がぐにゃりと歪曲する。
「あっ」
抵抗する間もなくあっという間に組み敷かれた。前だけを綻ばせたカカシが切羽詰ったようにナルトの秘部に熱い何かを当てがった。
ここは、木の葉の里の端に位置するアパート。ナルトの部屋だ。少年以外誰も住まう者のいない居住区に、突然やって来たのは上司であり教師でもあるはたけカカシだった。
ナルトは、カカシを満面の笑みで出迎えた。里を出る前から、カカシは一人暮らしのナルトのアパートによくやって来ていたからだ。以前のように、野菜を持って来てくれたのだろうかと思いながらも、ナルトは窓からやって来たカカシを家に上げた。
少年は、この大人に格別懐いていたし、どんな理由であれ誰かが家に訪ねて来てくれる事は嬉しいものだ。それはひとりぼっちだった下忍の頃も、15歳になった今も変わらない事だった。
なのに今、ナルトは信頼していた大人に押し倒されていた。
「やんんっっん」
「んく…あっつ…」
「いやぁぁ…」
――おまえの中、最高。カカシの荒い息が耳元で聞こえて、そのままガクガクと揺すられた。
今、オレってば先生とセックスしてんの? どうして?
「ひっ…うん、ん、んっ」
カカシが中で動くたびに漏れる、ひ、ひ、ひ、という短い声が漏れた。その声が自分のものではないみたいだ。
セックスによって齎された自分の声を、意識に一枚膜が貼ったような感覚で聞きながら、ナルトはただひたすら喘いだ。
「想像以上だな……んっ」
カカシが薄っすらと笑ってナルトを見下ろした。
鋭くて冷たい月みたいな笑顔に、キュウっとナルトの身体に力が入る。
「――――っう」
するとカカシが気持ち良さそうに声を漏らして、一層激しくナルトに腰を打ち付けた。
「カカシ先生、やめてってば。どうして…!?」
「ナルトが…、ナルトが悪いんだよ?」
「あああ、やだぁ…」
ぐすぐす泣いても叫んでもカカシは止めてはくれなかった。怖かった。いつもの優しいカカシはどこにいってしまったのだろう。息を乱して性行為に没頭する大人は、オッドアイの瞳は、ナルトのよく知っているものだったが…、
―――こんな先生。オレは知らない。
ナルトは唇をきつく噛んだ。
カカシも教師である前に一人の大人の男の人なのだと、頭では理解出来たが、わかりたくもなかった。
それに何故、男のオレにこんなことをするのか。排泄するべき箇所に生殖器を押し込まれ、それだけでもどれほどショックを受けたか、ナルトの受けた衝撃は計り知れない。
(オレってば、今、カカシ先生とセックスしてる…)
憎まれていたのだろうか。厭われていたのだろうか。今まで優しかったのは全部嘘であったというのか。
性的暴行はくの一の自白を促す拷問の一つだ。もちろんただ単に相手の精神を苛むための有効な手段としても用いられる。2年半に渡る修行の旅の途中、座学で自来也に教えて貰った時は男の自分には関係ない事だと思っていたのに。
「カカシ先生、カカシ先生、痛、痛いってばぁっ」
「ナル…ト、もうちょっとしたら気持ち良くなるからね?…ほら、ここ擦られるとどんな感じ?」
「ひっ。やあああっ!!」
「ん…気持ち良いねぇ」
ナルトの、性的嗜好は異性に対してだけ向いていた。彼は、人一倍、少年らしい真っ直ぐな少年だと言って良い。
そんなナルトにとって同性との性行為は衝撃を与えた。それも自分が、女の代わりにされてるのだと思うとナルトの自尊心は酷く傷付かずにはいられない。
「……ライ」
「ん…?」
「キライ…カカシ先生なんてダイッキライだってば」
「……そう」
「ひああああっ」
腰を両手で掴まれると強く穿たれる。
「オレはおまえの事、こんなに好きなのにねぇ。凄く残念だよ」
何でも無い事のように笑いながら言う、大人が信じられなかった。
「ひぁ…っ。やだぁ……っ」
「おまえがどんなに嫌がろうとオレは止めないよ。最後までオレに付き合って?」
絶望したようにナルトの双ぼうがカカシを見上げる。蒼褪めた少年に、カカシが唇を寄せようとして、顔を反らされた。
カカシから逃れようと目を瞑って抵抗をするナルトは、犯されても尚、プライドを持ち続けようとしている。その姿はまるで孤高の太陽のようだ。
「バカだね、力でオレに叶うわけがないのに」
そんなナルトに対してカカシは、少年の顎を持ち無理矢理キスをした。
「んふぅ……!!!」
「ん……んん……」
ぬるっと侵入してきた生温かい舌に、生理的な涙がナルトの頬を伝う。ナルトは嫌悪感と共にカカシの舌を噛んだ。
「―――っ」
「ざまぁみろってば!」
「……っほんとにいい度胸だよ。こんな状況でもオレに逆らうつもり?」
「うっせぇ、ゴチャゴチャ言ってないで―――さっさと出して……終わらせろってばっ」
カカシを見上げたのは涙で潤みながらも強気な瞳だった。目尻にこみ上げた透明な滴がつう…と流れ落ちる。
「……――犯されてる時に相手の男を煽るもんじゃないよ?」
今までは教えて貰えなかったの?と、耳元でぼそぼそと囁かられれば、ナルトの耳朶は真っ赤に染まった。
「オレってば今まで一度もこんなことされたことねぇっ。カカシ先生以外には……っ」
「―――ふうん。意外だねぇ、もっと遊んでるかと思った」
「なっ!?」
「ま、おまえは真面目だもんな」
「バカにすんのもいい加減にしろってば」
「可愛いね」
「!」
「オレに犯されてひぃひぃ泣いてるおまえの姿、凄く興奮する。綺麗だよ、ナルト?」
金糸を弄られながら囁かれる台詞は、今のナルトにとっては屈辱でしかなかった。
「―――オレが初めてだったんだなんて……光栄だよ」
「キライ…カカシ先生」
「残念だよ、ナルト。一緒に楽しめたら良かったのにね?」
ぐ、ぐ、ぐ、と下腹を突き破られるような感覚。快感なんて程遠く、異物感しかない。
ナルトは歯を食いしばって、シーツを掴む。自慰の手伝いをさせられてるだけ。そう思わなければ込み上げてくる吐き気を抑える事が出来なかった。
「はぁ、はぁ、あああ…んんん!!!」
「う…っ」
カカシの腹筋が震える。
「………出すよっ」
「っ!!!」
恐怖で身体が強張る。最後にふれるだけのキスを落とされ、熱い飛沫を奥深くに叩きつけられた。ごぷっと含みきれなかった精液がナルトの足に溢れて伝う。
「あああああ…!」
「…ナルトもイッっちゃった?」
「……あ、あん。あ・・、ああぁ……」
「………」
「はぁ…はぁ……ぁっ」
「………」
全てを出し切ってもカカシはどいてはくれず、まだゆるゆると揺さぶられる。そのうち動きは止まるだろうとナルトはピクリとも動けず、身体を投げ出していた。
「………」
「……………ふう」
「…あっえ?」
「ん…・…」
「あっあっあっあっ!?」
グチャグチャと濡れた音がする。解放されるかと思ったが、カカシの動きは止まるどころか、いっそう速くなる。まだ終わないのか、と頭がガンガンした。
「あ、カカシせんせぇ、カカシせんせぇ…!」
「スゴ…おまえの中、もうトロトロ」
「カ…シせんせぇ。やめてってば…。おねが…い」
「……―――ごめんね?」
「も、やだぁ…!」
結合部から、耳を塞ぎたくなるような音がする。カカシが吐き出した精液のおかげで動きがスムーズになったのだ。
「ナル…ナルト。ああ、気持ちいいね?」
「あ、あ、あ、あ、あ」
「もう聞こえてない…か。オレはね最高に気持ちいいよ、ナールト?」
「いや、やだぁってば…!」
「ねぇ…奥にオレがいるのがわかる?」
頬に精液が擦りつけられる。ナルトが、霞む視界でカカシを見上げれば、下腹部を擦られた。
「ここに、いるんだよ?」
確かめるようにカカシが腰を揺する。
「んっ、んっ、んっ」
「………はぁ気持ちい」
「………」
「ナールト?」
「……もう抜いてぇ」
泣きながら漏らされた言葉にナルトにカカシは顔を歪める。
「あああああっ」
まだ男に慣れていないナルトの身体に今までにない衝撃が襲う。容赦なくナルトを穿つカカシのペニス。ナルトのものとは比べ物にならないくらい太い男性器は、ぐちゅぐちゅと音を立てて、抜き挿しされた。
「はぁはぁ…」
「ああぁ…っ」
カカシの射精が近い事を知るとナルトはまた身体を強張らせた。
ぶわりと熱が吐き出されて、ナルトはぎゅっと目を瞑る。



朝、起きると身体がダルかった。昨日の事が夢だと信じたかったが、部屋に充満する精液の匂いがカカシとの行為を色濃く語っていた。
「…………っんで!」
ぽたぽたと涙の粒が握った拳に落ちた。
「どうしてカカシ先生…」
信じてたのに。
大好きだった。少し惚けているけど頼りになるカカシ先生。下忍の頃、いつも自分を見守ってくれた筈の優しい大人。里人に暴力を受けていた時、何も言わずそっと傍にいてくれた人。なのにどうして。
「サイテーだってば…」
下半身の鈍痛。喉は痛いし、目も腫れぼったい。感覚が麻痺してまだわからないが、きっと空腹だ。――なぜなら、一晩中カカシに身体を貪られてたのだから。
だが、ナルトは服を着る事はおろか何をする気分にもなれなかった。ただベッドに座ったまま、呆然とする事しか出来ない。
しばらく、朝日の差し込む窓を眺めていたナルトは、カカシに脱がされた上着を両手で持ち上げてみる。
洗濯しなきゃ。くしゃくしゃになった、汗と…精液がついた服。
「―――――……っ」
ナルトは上着をベッドの下に放り投げる。
だいっきらいだってば。カカシ先生の顔なんて、二度と見たくない。






 








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