裏猫道
裏猫道
R18
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カカシの回復を待って、出立して鳥の国に到着した。依頼人の女性を元ボーイ長の旦那さんに送り届け、あとは里に帰るだけとなった。
「元気な赤ちゃん産んでくれってばよ!」
ナルトが手を振りながら、去っていこうとすると、臨月のおなかを抱えて、依頼人の女性がナルトに駆け寄ってきた。
「ナルトくん」
「んあ、なんだってば」
「あのね、きみとあの銀髪の先生のことなんだけど」
驚いて目を見開くナルトに、お節介焼いちゃうぞ、と悪戯っぽく微笑んで依頼人の女性に耳元で囁かれる。
「きっと上手くいくわよ」
「……へ?」
「だって銀髪の先生、あなたの事ばかり見てたもの」
依頼人の女性の言葉に、ナルトは混乱を隠せなくなる。だってこの女性(ヒト)は、カカシ先生とオレの事情を何も知らないはずなのに。それにカカシ先生は冷たい目でオレの事、見てた。
鋭くて、尖ってて、怖くなるような…。
「違うってば、カカシ先生とオレの関係はお姉さんが思ってるようなものじゃなくて」
事態はそんな簡単なものじゃなくて、もっと複雑で!と視線をきょろきょろさせた、ナルトに依頼人の女性がふふふと微笑む。
「運命の相手なんて結局付き合って見ないとわからないものよ」
アタシも今の旦那と結婚するなんて思っても見なかったし、と電撃二ヶ月婚と拳を握る依頼人の女性。いやーと照れ臭そうに頭を掻く太っちょの旦那さん。
困ったように微笑んだナルトを見て、サクラが眉の根を寄せて、ヤマトがカカシを背中に抱えて出発を告げた。
里に帰って、カカシは自宅療養になった。ベッドに横たわってカカシは何度目かのため息を吐いていた。
結局、あのあとナルトから告白の返事は聞けていない。
それどころか帰還途中は目も合わせて貰えなかった。サクラやヤマトと話している時は明るい笑顔のくせに、自分と向かい合うと途端にその笑みは消える。
自ら選択したことだったとしても、やはり辛かった。そしてカカシをさらに沈鬱にさせるもの、それはアパートの階段を上がってくる足音。よく知っている、自分の生徒のもの。
鍵をかけていたはずの扉をぶち破って来た、兵は…
「さぁて、事情をよーく聞かせて貰いましょうかカカシ先生…」
般若だ…。
手の関節を鳴らして登場したサクラの形相にカカシはごくりと唾を飲み込んだ。
サクラさん、すでに瀕死ですから死なない程度に。
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